Aliveの歴史

先の見えない暗闇の時代

時はコロナ禍。外出自粛が相次ぎ、よさこい祭の開催も見送られた2021年。まさによさこいの世界は『先の見えない長いトンネル』の中にありました。イベントはもちろん、練習すらもままならい時期が続き、よさこいという文化そのものが停止しかけた時代でもありました。全国各地でよさこいに関わる人々が試行錯誤を重ねながらも活動再開に声を上げ続けますが、その声も虚しくコロナ禍の影響は衰えることを知りませんでした。当時、Aliveはまだこの世に存在せず、産声をあげる瞬間は翌年2022年へと移り変わります。

生まれた一つの“機会(opportunity)”

2022年、依然としてコロナの影響が続く中、活動を休止している東京の某よさこいチームから一つの声が上がりました。

「踊りが必要な人々に、踊れる場所を作りたい」

それは、活動休止中の現よさこいチームからもう一つの派生チームを生み出し、そのチームが活動を再開するまでの機会に別働隊として活動するという趣旨の、いわば新チーム設立の起案でした。現チームの代表・副代表にプレゼンし、必要な準備とスケジュールラインを描き、明確な目的と盤石な体制を構築する形でチーム設立・運営、そして活動を行う旨を説明しました。結果、想定以上の前向きに背中を押していただく形で「Alive」は産声を上げることになります。

新チームとしての“始動”

2022年7月1日、ついに新チーム「Alive」は活動を開始。約3年ぶりに踊りを楽しむ人々で溢れていました。発足当初の人数は20人。そのうちの9割が派生元チームとの掛け持ちメンバーでした。チームメンバー同士で助け合い、支え合いながらの活動。振り付けはプロダンサーTAMANEが担い、チーム運営から作品制作は景山が担いました。目標は9月のにいがた総おどり祭。2ヶ月半後のお披露目に向けて猛練習がスタート。極めて短い期間での作品制作・振付制作・練習実施となりましたが、無事に2ヶ月半後のにいがた総おどりで「Enrich Your Life」を披露し、Aliveというチームが世に知られるきっかけとなりました。

彗星の如く現れたAlive

にいがた総おどりでの作品披露を経て、横浜よさこい祭・東京ドリームよさこい祭・黒潮よさこい祭と、関東でも有名なイベントに出演を重ねました。中でも横浜よさこい祭では「見たことないな中ソーラン」を披露。振付師TAMANE監修の圧倒的技術力を有するハイレベルな南中ソーランは人々を震撼させることになりました。こうした活動もあり、発足から半年でSNSのフォロワーは合計2,000名を超え、全国的にAliveの名が広がりました。

集う、新たな仲間たち

Aliveは発足当初、20名でのスタートでしたが、初年度が終わる頃には35名。イベント出演を重ねる中で、一人、また一人と仲間が増えていきました。

「自分も、Aliveで一緒に踊りたい!」

こうした声が相次ぎ、出演を重ねるごとにAliveの演舞は大人数となり、迫力も増していきました。新メンバーは個性豊かな面々ばかり。10年ぶりに踊りを再開する者、初めて踊りを踊る者、フラッグの世界大会に出場した者、少林寺拳法を極めし者。多様な個が調和するチームとして、メンバーのユニークな個性が共鳴し合う日々が続きました。

活動のピリオドと、描いた先の未来

時は2023年、Aliveも新たな仲間とともに活動を重ねていた頃、ついに派生元のチームが長い沈黙を破り、活動を再開すると報じられました。Aliveはもとより、派生元のチーム活動再開までの橋渡し的な位置付けで発足したチーム。派生元チームの活動再開はAliveとしての一区切りを意味するものでした。代表から当時のメンバーへ、一人一人丁寧にその経緯と想い、そしてこれからの活動についてを対面で説明。チームは解散しないが、これまでのような勢いでの活動は難しいかもしれない。すると、当時のメンバーからはこんな声があがりました。

「Aliveで活動できてよかった」

「叶うならまたこの作品を踊りたい」

「もっとAliveが描く世界観を見てみたかった」

そこで、改めてAliveの在り方と位置付けを再考することになりました。発足当初と現在とでは状況も異なり、また代表や振付師をはじめ、運営スタッフのWillも変化しつつありました。こうした葛藤や複雑な心境を派生元チームの代表と話し合い、1年前と同じ形で前向きに背中を押していただく結果に着地。Aliveは派生元のチームと肩を並べ、チーム間で切磋琢磨し刺激を共有し合うことで、相乗効果を生み出す関係を目指したい。そんな想いを胸に、Aliveは志を新たに活動を再開する運びとなりました。

意志を継ぎ、命奏でよ

こうしてAliveは派生元チームから生まれた別組織として確立し、現在に至ります。紆余曲折あり、派生元チームは2024年11月に解散。Aliveとは全く異なる世界観と作品性ではありますが、派生チームとしてその意志を受け継ぎ、『踊りを通じて人生を豊かに』というコンセプトを掲げて活動を継続しています。

「Aliveよ 意志を継ぎ 命奏でよ」

「己が生き様を 世界に刻め」

派生元チームへ、最大限のリスペクトと愛を込めて、二作目「Profound Emotions」のMCには派生元チームのキーフレーズを入れさせていただきました。肩を並べともに切磋琢磨する未来には至らなかったものの、Aliveは派生元チームのDNAを受け継ぎ、新進気鋭で唯一無二の作品性をよさこいの世界で表現し、踊りを通じて人々を幸せにしていきたいと考えています。

Aliveだから目指せる世界があるということ

Alive発足当初から状況も変わり、活動メンバーも変わり、体制も少しずつ変化してきました。2025年時点でメンバーは約70人まで増え、さらに多種多様で個性豊かなメンバーが明るく楽しく活動をしています。どんなに大人数になっても、時代が変わっても、我々Aliveが大切にすることは変わりません。

「踊りを通じて人生を豊かに」

このコンセプトに自信と希望、そして自らの意志を持ち、これからも進み続けてまいります。我々Aliveだから目指せる世界がある。我々Aliveにしか生み出せない感動がある。我々が踊るからこそ、人々を幸せにできる。そう信じて、新進気鋭と唯一無二の世界を描いてまいります。

Aliveに関わってくださる全ての方々に、感謝と愛を込めて。

沿革

年次概要        
2022/7よさこいチーム「新祝舞 -Alive-」設立
2022/9Enrich Your Life 初披露
2023/4TOKYO PHANTOM ORCHESTRA 活動再開
2023/11「Alive」へ名称変更
2024/7Profound Emotions 初披露
2024/9The greatest show 初披露
2024/11TOKYO PHANTOM ORCHESTRA 解散